【肝臓の手(手掌紅斑)】2016年12月22日

 手掌紅斑とは、肝疾患、肝硬変患者にみられる皮膚所見のひとつであり、手掌、特に母指球、小指球および指の基節部に認める紅斑である。圧迫すると消失し、圧迫を解除するとすぐにまた赤くなる。一般的に手掌全体の皮膚の色調は、手を心臓の位置より下方に置くと血流移動によって手掌全体の色調は赤くなり、また逆に手を心臓の位置よりも上方に置くと手掌全体の色調は白くなる。
 時々、単に手掌全体の色調が赤い場合を手掌紅斑と診断している場合に遭遇するも、手掌紅班では、母指球、小指球、指の基節部に紅班が局在する為、相対的に手掌の中心部は白くなるという点が特徴であり、紅班部分と周辺部分との色調のコントラストをよく診るというのが、手掌紅班の診断のポイントである。

 5本の指を軽く広げて伸展させる、心臓より高い位置で手掌を診察すると色調のコントラストが明瞭となる。対面しながらの座位の位置での手の観察では、手掌の位置は心臓より下方となり手掌全体が赤くなることから紅班の色調コントラストは不明瞭となる。
 私は、仰臥位での腹部の診察の後に手掌を観察するようにしている。仰臥位のまま患者さんの腹部の上に軽く手を乗せるもらうことで、心臓より高い位置に手を置くことができ、また患者さんの手掌の横に著者(ALT値は正常)の自身の手を並べて提示することで、患者さん自身も手掌紅斑の存在とその程度を認識することができる。

(文責 八橋 弘)